【イギリスのアンティーク食器】Hornsea(ホーンジー)陶器の魅力と人気シリーズ

イギリスヴィンテージ食器

イギリスで根強く愛されるヴィンテージブランド

イギリス駐在中にアンティーク食器を集めてる方に大人気な食器
Hornsea(ホーンジー)

アンティークコレクターやディーラーの間で常に注目され続けている定番ブランドです。

デザインのかわいさと実用性、そして比較的手に取りやすい価格帯が人気の理由。
飾っても使っても楽しめる器として、今なお多くの人に愛されています。


駐在妻の間でも広がるホーンジー人気

イギリスに暮らす日本人の間でも、最近はホーンジーを集める人が増えています
ケンプトン、アリーフィーズ、ポートベローなどのアンティークマーケットで探したり、
eBay や Vinted、Etsy などのオンラインマーケットで少しずつコレクションを増やす人も多いです。

「お手頃でかわいくて、しかも英国らしい。」
そんな理由で、ロンドン駐在妻の間でも話題に上がることが増えています。
現地ならではの出会いを楽しめるのも、イギリス生活の醍醐味のひとつです。

👉 イギリス最大のアンティークマーケットについてはこちらの記事もどうぞ
【ロンドン郊外】ケンプトン・アンティークマーケット徹底ガイド


Hornsea(ホーンジー)とは?

Hornsea Pottery(ホーンジー・ポタリー)は、
1949年にイングランド北東部ヨークシャーの海辺の町ホーンジーで創業した陶器ブランドです。
創業者は兄弟の コリン・ローソン(Colin Rawson)デズモンド・ローソン(Desmond Rawson)

当初は観光客向けの小さなお土産品を作っていましたが、
1960〜70年代にはデザイナーの ジョン・クラッピソン(John Clappison) を中心に、
モダンで実用的なテーブルウェアを次々と発表。

「手が届くデザイン」として英国中に広がり、
現在ではミッドセンチュリー期を代表する英国陶器ブランドのひとつとされています。


すでに閉鎖された Hornsea Pottery

実は、Hornsea Pottery の工場はすでに閉鎖されています。
2000年4月に受託管理(receivership)に入り、長い歴史に幕を下ろしました。
その後ブランド名やデザイン権は別企業に引き継がれていますが、
オリジナル工場での生産はすでに行われていません。

つまり、私たちが今手にできる Hornsea 食器はすべて
当時のオリジナル製品=ヴィンテージ品。

このため、状態の良いアイテムや人気シリーズは年々希少になっており、
閉鎖後の今、アンティーク市場で価値が上昇しているのです。

→ ほかにも、私がイギリスで集めているアンティーク食器はこちら
👉 Old Pyrex England|イギリス製オールドパイレックスの魅力


Hornsea がアンティークコレクターに人気の理由

ホーンジーがコレクターの間で長く支持される理由は、次の3つにあります。

1️⃣ デザイン性と実用性の両立
 芸術的な模様でありながら、丈夫なストーンウェアで作られており、普段使いできる。

2️⃣ カラーバリエーションの豊富さ
 シリーズごとにまったく異なる雰囲気を持ち、インテリアや気分に合わせて選べる。

3️⃣ 「使えるアンティーク」価格帯
 高級ブランドのように手が届かないわけではなく、コレクションを始めやすい。

気軽に楽しめるアンティークとして、
Hornsea はイギリスのアンティークマーケットでも常に高い人気を誇っています。


Hornsea の代表シリーズとその魅力

Heirloom(ヘアルーム)

1966年に発表された、ホーンジー社が初めて手がけた本格的なテーブルウェアシリーズが「Heirloom(ヘアルーム)」です。
デザインを担当したのは、同社を代表するデザイナー ジョン・クラッピソン(John Clappison)

表面には小さなくぼみが連続するようなポコポコとしたレリーフ模様があり、
その凹んだ部分に特殊な釉薬を流し込むことで独特の陰影と艶を生み出しています。
シンプルでありながら存在感のある質感は、まさにミッドセンチュリーの象徴的デザイン。

カラー展開は
オータムブラウン(Autumn Brown)
レイクランドグリーン(Lakeland Green)
そしてミッドナイトブルー(Midnight Blue) の3色。

中でもミッドナイトブルーは、深く落ち着いた青みが美しく、
現在では最も人気の高いカラーのひとつとしてアンティーク市場でも注目されています。
ティーポットやキャニスターなど、日常使いにも耐えうる丈夫さを持ち、
「実用性とデザイン性を兼ね備えた英国食器」としてホーンジーの代表作です。

📸 (私のコレクションもこの Heirloom の Midnight Blue。
光の加減で深いネイビーにも見えるのがたまりません。)


Fleur(フルール)

1970年代に登場した Hornsea の定番人気シリーズ。
ベージュを基調に、淡いグリーンとグレーの小花模様があしらわれたデザインは、
どこか北欧の雰囲気も感じさせる優しい印象です。

以前は“地味”と言われることもありましたが、
今では「ナチュラルでかわいい」「北欧インテリアに合う」と再評価され、
日本でも人気が上昇しています。
特にマグカップやキャニスターの美品は価格が上昇傾向です。


Tapestry(タペストリー)

1970年代にジョン・クラッピソンがデザインしたシリーズで、
幾何学模様と植物モチーフを組み合わせた、落ち着いたベージュトーンが特徴です。

私の持っているキャニスターもこの「Tapestry」。
シンプルなのに存在感があり、キッチンに置くだけで空間がやさしくまとまります。
ホーンジーの中でも比較的“静かな人気”を誇るシリーズで、
Fleur よりも大人っぽく、Heirloom よりも柔らかい印象を持っています。


Saffron(サフラン)

1970年代初期に登場したシリーズ。
マスタードやオレンジ系の温かみあるカラーリングで、
見ているだけで元気をもらえるようなレトロポップな雰囲気が魅力です。
Hornsea の中でも “陽気で明るい” 代表格として人気。
特にティーポットやキャニスターのセットは、
現在でもアンティークマーケットでよく見かけます。


Contrast(コントラスト)

1974年に発表された、マットブラックと光沢ブラウンのツートーンデザイン。
当時は少しモダンすぎると感じられましたが、
今の目で見ると驚くほど洗練されたデザインです。
Hornsea の中でも現代インテリアと相性が良く、
再評価が進んでいるシリーズのひとつです。


日本でのホーンジー人気

日本でも Hornsea の人気はじわじわと高まっています。
アンティークショップやオンライン(Etsy・メルカリなど)で取り扱う店も増え、
「英国レトロ」「北欧風インテリア」に惹かれる層から注目されています。

特に流通量が多い Heirloom(Autumn Brown)Fleur の花柄シリーズ は手に入りやすく、
初めてのヴィンテージコレクションとして選ぶ人も増えています。

一方で、Midnight Blue の HeirloomTapestry のキャニスター は現地でも出会いが少なく、
閉鎖による希少性の高まりもあって、価値が上がりつつあるシリーズです。


まとめ:日常に馴染む英国アンティーク

Hornsea の魅力は、気取らず日常に溶け込むデザインにあります。
丈夫で使いやすく、どんな食卓にも自然になじむ。

朝の食器棚に並んでいるだけで、少し気分が上がるような存在。
紅茶を淹れる時間や家族とのティータイムに、
さりげなく英国らしさを添えてくれるアイテムです。

アンティークだからといって特別扱いせず、
“ふつうの毎日で使える器”として楽しむ。
それがホーンジーのいちばんの魅力だと思います。


スポンサード

コメント

タイトルとURLをコピーしました