2025年の夏、大英博物館で開催中の
広重展「Hiroshige: Artist of the Open Road」に行ってきました。


展示されていたのは、あの「東海道五十三次」や「名所江戸百景」など、
誰もが一度は目にしたことのある風景。
浮世絵がこんなにもドラマチックで詩的だったとは…と驚くばかりの展示でした。
展覧会の基本情報(予約・期間・料金)
- 📍会場:British Museum(大英博物館)
- 🗓️期間:2025年5月1日〜9月7日
- 🕰️開館時間:10:00〜17:00(⾦曜は20:30まで)
- 🎟️チケット:
- 一般:£18〜(日時指定制)
- 16歳以下無料
- 会員(メンバーシップ)なら無料&予約不要
- ✅予約方法:公式サイトからオンライン予約(British Museum 公式チケットページ)
展示の一部は寄贈作品として今後も収蔵されるようですが、
ほとんどが今回限りの貸出作品(アメリカ在住のコレクター Alan Medaugh 氏より)。
状態の良いプリントをまとめて見られるのは、本展だけの貴重な機会です。
鑑賞した作品から、印象に残ったものをいくつかご紹介
🟦「庄野 白雨」— 東海道五十三次より

大粒の雨の中、坂を駆け下りる旅人たち。
雨粒は細い線で刷られ、斜めに降り注ぐ勢いがリアルに伝わってきます。
風景の中にいる“人の気配”がとても生きていて、動きのある一枚でした。
🌊「鳴門の渦潮」— 六十余州名所図会より

迫力満点のうず潮。
広重の作品の中でも色使いが特にダイナミックで、
海の深さや力強さが1枚の中にぎゅっと詰まっていました。
構図は大胆なのに、どこか静けさを感じさせる不思議な一枚です。
☔「大橋 あたけの夕立」— 名所江戸百景より

有名なこの一枚は、ゴッホが模写したことでも知られています。
大きな橋の上を走る人々と、雨脚がまっすぐ落ちる様子が描かれていて、
まるで写真のようなリアリティ。
展示横には、実際にゴッホが模写した油絵のレプリカも並んでいました。
🌸「亀戸梅屋舗」— ゴッホと広重の対話


こちらも「名所江戸百景」から。
太い梅の幹が画面を横切り、奥に満開の梅。
この構図をゴッホがどれほど気に入っていたのかが
、隣に展示された「トレース下絵」や模写からよく伝わってきました。
色彩の違いや構図の再現性を見比べるのがとても面白かったです。
🐦「短冊形 花鳥画の展示」

短冊形の小さな画面に、花や鳥、猿などを描いたシリーズ。
繊細でかわいらしく、日本の四季や自然の美しさをしみじみ感じさせてくれます。
個人的には、燕の飛ぶ絵が一番好きでした。
展覧会を楽しむポイント
- 展示の一部は**期間中に入れ替え(6月末〜7月初旬)**があり、違う作品が観られることも。
2回訪れるのもおすすめ。 - 写真撮影OK
- 金曜夜は20:30まで開館しているので、空いていておすすめです。
- 日本語解説はないですが、英語のキャプションは読みやすいです◎
おわりに
大英博物館で広重の世界を旅する時間は、静かで美しく、とても贅沢なひとときでした。
江戸時代の風景なのに、どこか今の日本にも通じるような空気感があって、
あらためて「浮世絵ってすごいな」と実感。
ロンドン滞在中の方、観光で来られる方にも、ぜひおすすめしたい展覧会です。




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